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HECTEF WEBセミナー(第11回) POCTと在宅・介護医療の現状と将来


 第11回HECTEFセミナー抄録

在宅医療・介護における臨床検査 〜POCTを中心に〜


小谷 和彦
自治医科大学 地域医療学センター地域医療学部門(兼)医学部臨床検査医学講座

 地域人口や医療社会の情勢を巡る変化の中で、本邦では在宅医療・介護の整備が進んでいる。訪問診療を受ける人は2040年に向けて一層増える見込みである。知識と技術の発達とともに、在宅医療・介護の実践においてPOCT(point-of care testing:臨床現場即時検査)は、その在宅設定と親和する性格上、存在感を高めつつある。ここには、新型コロナウイルス抗原に対する検体検査系のPOCTに加えて、POCTとしての超音波検査の普及も見逃せない。さらに、ICT(information and communication technology:情報通信技術)を用いて、医療・介護系スタッフを含む多職種連携チームで検査情報を共有するシステムづくりも注目すべき動向である。このような検査結果の現場即時提示性や情報共有の進歩は、患者の医療・介護への参加、安心感、満足度を高める一つになり得る。ここでは、POCTを主眼にして、在宅医療・介護における臨床検査に関して概観してみたい。


在宅医療・介護におけるPOCTの現状と展望


高橋 峰子
一般社団法人 戸田中央メディカルケアグループ本部 看護局

 日本は2025年には約3600万人が後期高齢者となる。2042年には3,935万人でピークを迎える。医療や介護の需要が増加し、病院や施設だけではこれらの需要を賄えない。国は、要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで続けるため、地域包括ケアシステムを構築した。しかし、在宅医療や介護の現場では、尿道留置カテーテルや中心静脈栄養、胃瘻、酸素、人工呼吸器、ドレーンを挿入したまま自宅へ戻るなど、「暮らし」の中に医療が存在し、医療関連感染のリスクも皆無ではない。
 筆者が日本の訪問看護スターション(回答率約40%)に行ったアンケート調査では、90%以上が何らかの感染を起こしていると回答があった。異常の早期発見には、大型の機器が持ち込めない在宅領域こそ、POCTが役立つと考えられるが、「簡易検査」という言葉は知られていても「POCT」という言葉自体が浸透していないことも判明した。現在は、居宅扱いのグループホームでも、COVID-19 抗原検査キッドが使用されている。「POCT」の特徴や正確な技術の習得などを、言葉の浸透とともに推進していく余地がある。


在宅医療の薬物管理とPOCTその問題点


鈴木 高弘
横浜薬科大学 薬学部

 COVID-19は、国内外における医療の問題点を浮き彫りにした。さらに医療現場においては、少子高齢化に伴う医療従事者(働き手)の減少や、病院の経営悪化などが懸念されている。このような医療現場の問題を解決するために、「Society 5.0」の啓発などにより、 医療のDX化を目指すが、従来の仕事の進め方を重んじる職場環境や、デジタルツールの初期導入コストがブレーキとなり、DX化には時間が必要である。しかしながら、在宅医療を担う薬局薬剤師の働き方は、対物業務のICT化に加え、「リフィル処方の解禁」、「電子処方箋の開始」、「調剤業務の外部委託の規制緩和(予定)」等によってパラダイムシフトが起こっている。薬局薬剤師による対人業務(医師への疑義照会、丁寧な服薬指導、在宅訪問での薬学管理、副作用・服薬状況のフィードバック、処方提案、残薬解消等)の充実は必然となる。
 そこで本講演では、薬局薬剤師による臨床検査の実践と「POCT」について話題提供する。





良質で信頼できる臨床検査データを効果的に提供するために

臨床検査は、疾患の診断や治療方針の決定、治療効果の判定の際はもちろん、定期検診、人間ドックなど、医療の様々な場面で極めて重要な役割を担っています。より高度で専門的な医療が求められている現在の医療現場においては、良質で信頼できる検体検査データをスピーディに入手することが切実に求められています。
一般社団法人HECTEF(旧、福祉・医療技術振興会)は、総合的精度保証の観点に立って、その方法論の研究、標準物質の開発・頒布、および外国との交流・国内へ学術情報紹介等を行い、その推進を図っていきます。



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HECTEFセミナー(第10回)は、
新型コロナウイルスの感染拡大を鑑み延期させていただくことになりました。
「ゲノム医療の最前線」−注目される遺伝子検査と治療−

中止 2020年3月4日(水) 15:00〜18:10

新しい開催日程は、後日ご案内申し上げます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み対応策を検討してきましたが、参加者および関係者の皆さまの健康・安全面を第一に考慮した結果、セミナーを延期することにいたしました。
ご参加を予定いただいた皆様には、大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
新しい開催日程は、決まり次第ご案内差し上げます。よろしくお願い申し上げます。


PICK UP

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CRP・IgG・IgA・IgM標準物質類のご案内ご注文のコーナーです。
  • ERM-DA470k/IFCC (IgG・IgA・IgM 他)
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※注)ERM−DA472/IFCC(CRP)は製造元の在庫が無くなり、ERM−DA474/IFCCに切り替りました。



HECTEF取り扱いの海外標準物質のご案内ご注文のコーナーです。
  • NIBSC …WHO標準物質類
  • IRMM  …IFCC標準物質類
  • NIST  …SRM標準物質類



一般社団法人HECTEF 個人賛助会員への入会は、こちらよりご連絡ください。



"ClinicalChemistry"(AACC機関誌)に掲載されるReview等の日本語訳版をご覧頂けます。

Clinical Chemistry

  • 2018年版の論文一覧は、 こちら から
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"ClinicalChemistry"(AACC機関誌)に掲載されるTrainee Councilの日本語訳版をご覧頂けます。

AACCのホームページにて、一般社団法人HECTEF提供のTrainee Council Question Bank 日本語訳版[臨床化学研修生協議会]をご覧頂けます。

Trainee Council Question Bank


HECTEFセミナー(第9回)を開催致しました

2018年11月29日(木)「AI(人工知能)と医療への応用」をテーマにセミナーを開催致しました。

4名の先生をお招きし「未来から選ばれる医療AI」「臨床検査とAI」「AI画像診断支援ソリューション」「バイオプリンティングと遺伝子検査」AI医療に関する最新情報をご講演頂きました。 多くの方々にご参加頂き、質疑応答でも活発な意見交換がなされました。

セミナーの内容はこちら から

HECTEFセミナー(第8回)を開催致しました

2018年1月31日(水)「これからの在宅医療とその運用」をテーマにセミナーを開催致しました。

変化する在宅医療に関連して臨床検査はどうあるべきか、ご活躍中の3名の先生方をお招きし、疑応答でも活発な意見交換が行われました。

セミナーの内容はこちら から

HECTEFセミナー(第7回)を開催致しました

2017年1月31日(火)「臨床検査室におけるISO 15189の認定取得とその意義」をテーマにセミナーを開催致しました。

検査ラボのISOに関する著名な方々をお招きして、取得方法の実際や検査室の品質保証を中心に、ISO認定に関する最新情報と導入現場からの生の声をお届けいたしました。

セミナーの様子(画像)はこちら から
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HECTEFセミナー(第6回)を開催致しました

2015年9月18日(金)「IFCC-HbA1cキャリブレータを用いたHbA1cの標準化」をテーマにセミナーを開催致しました。

HbA1cの日本での判定値がJDS値からNGSP値に変わりましたが、その値を決める基本物質はIFCCが頒布しています。 今回、日本で測定したIFCC-HbA1c Caluibratorのデータと最新情報がセミナーで報告されました。
セミナーの内容はこちら から

HECTEFセミナー(第5回)を開催致しました

2014年12月5日(金)「近未来の研究・検査室に向けた新技術」をテーマにセミナーを開催致しました。

"臨床の研究・検査室が新しい技術・システムの導でこんなにも変わる"第一線でご活躍中の先生方より検査技術と臨床診断の両サイドからアプローチいたしました。

セミナーの様子(画像)はこちら から
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HECTEFセミナー(第4回)を開催致しました

2014年2月21日(金)「POCT (Point of Care Testing) の実用化と課題」をテーマにセミナーを開催致しました。

POCTとは、医師・看護師・検査技師などが患者の傍らで行う検査の仕組みで、短時間で検査結果が得られることから患者さんのQOLに資する検査システムです。
今後のPOCT化の方向性・動向についての講演には、多くの方々にご参加頂き、質疑応答でも活発な意見交換が行われました。

セミナーの様子(画像)はこちら から
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一般社団法人HECTEFでは、今後も皆様へ臨床検査に関わり役立つ内容をテーマにセミナーを開催してまいります。



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